具だくさん薄味味噌汁

 普通の味噌汁とどこが違うのか。それは、書いて字の通り、汁に対して、少しばかり具が多く、しかも、普通の味噌汁より、少しばかり、塩加減の薄い味噌汁なのです。汁単独で食するために、具を多く、そして、薄味にしてあるのです。これだったら、他の炭水化物も取らずに、空いた小腹を満たせるというわけです。
「具だくさん薄味味噌汁」(「具だくさんスープ」も同様)が最も重宝するのは、仕事などで帰宅が遅くなったとき。遅いと言っても、9時、10時ならまだいいのですが、11時を過ぎてる場合などは、「食事をどうすべきか」、考えてしまいますよね。お腹が空いているからと言って、そんな時間に、ご飯など炭水化物を取ったら、あとが恐いし…(摂取した糖質が、エネルギーとして使われにくい夜は、それが体にストックされ、やがて中性脂肪に変わるっていう話は、今や常識)。
 中性脂肪の蓄積を心配することなしに空腹を満たすには、どうすればいいか。その難しい”方程式”の答えが、この「具だくさん薄味味噌汁」というわけです。ただし、入れる具によっては、糖質を多く含んでいるものあるので、たとえ、炭水化物を取らずに「具だくさん薄味味噌汁」だけで食事を済ませるにしても、食材選びは慎重にしなければなりません。
 ということでね、糖質の含有量の観点から食材を分けると、次のようになります。

<糖質を多く含んでいる食材>根菜類、トマト、トウモロコシなど
<糖質の少ない食材>葉物野菜、キノコ類、豆腐類、肉・魚類など

 ただし、カリウムを多く含んだホウレン草、しゅんぎく、イモ類などは、塩分の体内吸収を防いでくれるとか、食物繊維の多いワカメ、ごぼう、こんにゃくなども、同じように塩分を対外に排出する働きがあるといったように、野菜個々に、栄養・機能的に優れた点を持ち合わせている場合もあるので、糖質を多く含んでいるからと言って、ただちに排除してしまうのは、あまり賢明とは言えません。
 食材を分類したついでに、たくさんの種類の具を使う場合の、鍋に投入する順番を念のため、ここで確認しておきますね。最初に鍋に入れるのは、ニンジン、ダイコン、ゴボウなどの根菜類ですね。これらは、火が通るのに時間がかかるので、火を付けるのと同じタイミングで投入します。味噌汁によく使われる、シジミやアサリなどの貝類も、水から煮た方がダシがよく出るので、火を付けるのと同じタイミングで投入します。火が通りやすい葉物は、煮立ったら投入します。そして、豆腐などの煮崩れしやすいものや、長ネギなどの香りのあるものは最後、火を消す少し前に投入します。具だくさん味噌汁だからと言って、具を一度に全部、入れてしまうなどというのは、”愚の骨頂”だってこと、これで、よ~く分かりますよね。

塩分抑制のポイントは、濃いめのダシ

 味噌は、通常、1.4%~1.6%程度の塩分を含んでいます。神経質になるほどの量ではないのですが、夜遅く帰宅して食べるとなると、味噌汁一杯で我慢できない場合もあるでしょうから、味噌は、できるだけ少なくするに越したことはありません。
 そのポイントは、ダシにあります。ダシをいかに効かせるか。これが大切になってきます。誰でも経験があると思いますが、ダシがよく効いてないのに、味噌の量を減らすと、美味しい味噌汁ができません。逆に、ダシさえ、しっかり効いていれば(つまり、濃いめのダシにするということ)、味噌の量を減らしても、十分、美味しい味噌汁ができます。
 一般に、ダシとして使われるのは、昆布、かつお節、いりこ(煮干し)の3種類かと思いますが、それぞれ特色があるので、どのダシにするかは、その日の具の種類に合わせて決めるのが理想です。大雑把に言えば、魚介類が多いときは昆布、野菜主体のときは、かつお節かいりこ、と覚えておけばいいでしょう。これは、昆布ダシの旨味に含まれるグルタミン酸が、具材そのものが持つ旨味やダシの邪魔をしない、また、かつお節に含まれるイノシン酸の方は、野菜の味に旨味を加えるという、それぞれの特徴に由来しています。また、昆布に含まれるグルタミン酸と、かつお節に含まれるイノシン酸を足したダシは、「合わせダシ」と呼ばれ、2つの旨味の相乗効果で、飛躍的に強い旨味のダシになることは、よく知られているところです。
 ダシの取り方は、大丈夫でしょうか? 粉ダシくらいしか使ったことがないという人は、この際、ぜひ、以下の企業の公式Webサイトでダシの取り方を勉強して下さい。

◇味の素パーク
・だしの取り方
◇キッコーマン
・だしの取り方
http://www.kikkoman.co.jp/homecook/basic/dashi/index.html
(※時間がないとき、手早く取る方法まで解説)
◇ヤマキ
・鰹節屋のだしのお話
・だしの種類
・だしの取り方
(※動画付き)

 えっ、そもそも、味噌汁の作り方に自信がない? そんな人は、マルコメの以下のサイトが参考になるでしょう。

・おいしいおみそ汁の作り方
(※合わせダシの作り方も紹介されています)
・おみそ汁の作り方(だしから作る)
・だしについて
・おみそ汁豆知識
・おみそ汁と健康

 最後に、具体的に、どういう具を入れたらいいのか想像がつかないという人は、美噌元監修の『味噌汁専門店の具だくさん味噌汁100』(世界文化社発行)とか、料理研究家の瀬尾幸子先生が書かれた『みそ汁はおかずです』(学研プラス発行)、同じく料理研究家の堤人見先生が書かれた『まんぷくみそ汁』(宝島社発行)などを参考にして下さい。
















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