日本の「 cool な食」を探し求めて

 中学、高校で習ったのとは、およそ、違った意味で使われている英単語が結構、ある。「cool」なんかが、その典型的な例。「カッコいい」という意味で、外国人なんかが頻繁に使っている。
 自分では、「冷たい」とか「冷静な」という意味で使っていたのに、いつの間に…。というわけで、手元にある『ジーニアス英和辞典・第3版』(大修館書店発行)を引いてみたら、意味の5番目に、こう書いてあります。

「すてきな、かっこいい」

そして、その用例として、It’s cool.(それでOKだ。)とYou’re just getting cooler.(ますます、素敵な人になって下さい。)が挙げられています。そうか、年齢を取ったら、ますます、素敵な人にならなきゃいけないのかあ…。結構、日本人には難しい”宿題”かもしれませんが、とにかく、英語圏の人たちは、「cool」という単語について、そんな使い方をしているわけです。
 人はだれでも、他人から「カッコいい」と見られたいと思っているはずですが、この「カッコよさ」、国によって、基準がかなり異なるので、ちょっと厄介。だって、今や、日本のcoolの典型として取り上げられる、マンガやアニメ、それと、原宿のファッションなどだって、「coolだ!」と言い出したのは、外国人観光客ですからね。それらは、それまで、ただのB級カルチャー扱いでした。カッコいいなんて、誰も思っていなかった(まあ、な~んちゃって制服を着てる娘や、コスプレしてる娘は、それがカッコいいと思ってやってると思うんですが)。それが今や、政府も観光政策上、無視できない一大観光資源ですからね。変われば変わるものです。
 ただ、外国人観光客の食の分野での、カッコよさの発掘意欲は、今一つ、物足らない気がします。好きな食べ物として、お寿司や天婦羅、すき焼きなどは挙がってきますが、それらに対して、「coolだ!」という賛辞は、あまり聞きません。
 というわけでね、いつまでも外国人観光客頼みじゃいけないと思い、一念発起。余っていたA3のコピー用紙に、マジックで大きく「cool」と書いて、机の前の壁に貼り出し(なぜかわからないけど、こうすると気合が入るのです^^)、自ら、食の分野でのカッコよさ探しに乗り出したわけです。
 で、大型書店の料理本コーナーなどを、あちこち彷徨っていたら、幸運にも、一冊の本に出合ったのです。料理研究家の辰巳芳子先生が書かれた『続 あなたのために お粥は日本のポタージュです』(文化出版局発行)という本です。(⇒次回に続く




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